「最近、電気代の請求額を見てびっくり…」「日中も家にいる時間が増えて、照明のつけっぱなしが気になる」。そんなお悩みはありませんか?
物価が上がり続ける中、家計の見直しは急務ですが、どこから手をつけていいか分からない方も多いはずです。実は、家庭の電気代節約において、最も手軽で効果的なのが「照明の見直し」です。
結論から言うと、ご家庭の照明を蛍光灯からLEDに交換するだけで、年間で数千円から1万円以上の電気代を節約できる可能性があります。
この記事では、電気代の基本的な計算方法から、蛍光灯とLEDの電気代の徹底比較、そしてあなたのライフスタイルに合わせた具体的な節約シミュレーションまで、詳しく解説します。
「LEDは高いから元が取れるか不安」「賃貸だけど交換していいの?」といった疑問にも全てお答えします。この記事を読めば、電気代への漠然とした不安が解消され、「私にもできる!」という自信を持って、今日から賢い節約生活をスタートできるはずです。

- 照明は家庭の中で最も手軽に節約できるポイント
- 蛍光灯からLEDに交換するだけで年間最大5,000円以上の節約に
- LEDは消費電力が少なく、寿命が約40,000時間と長い
- 賃貸住宅でも引掛シーリングタイプなら交換可能
- スマート照明や電力プランの見直しも節約効果大
蛍光灯をLED照明に変えるだけで、年間数千円〜1万円以上の電気代節約が可能です。LEDは消費電力が少なく長寿命で、環境にも優しいうえ、2027年には一部蛍光灯が規制される見込み。照明以外にも、スマート照明や人感センサー、電力会社の見直しでさらなる節約が実現できます。まずは、今使っている照明がLEDか確認することから始めましょう!
【STEP1: 現状把握】あなたの家の照明、電気代はいくら?

節約の第一歩は、まず「現状を知る」ことです。あなたの家の照明に、一体いくらかかっているのかを把握してみましょう。
電気代の計算は意外と簡単!基本の計算式を知ろう
電気代の計算と聞くと難しそうに感じますが、仕組みはとてもシンプルです。照明器具の電気代は、以下の式で簡単に計算できます。
電気代 = 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力量料金単価(円/kWh)
ポイントは「消費電力(W)」を「kW」に直すことです。1000W = 1kWなので、ワット数を1000で割るだけです。例えば、60Wの電球なら0.06kWとなります。
電力量料金単価は、契約している電力会社やプランによって異なりますが、この記事では、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込)として計算します。ご自宅の正確な単価は、電力会社の検針票(電気ご使用量のお知らせ)で確認できます。
【種類別】照明の電気代を徹底比較!蛍光灯 vs LED
それでは、一般的な照明器具である「蛍光灯」と「LED」の電気代を具体的に比較してみましょう。ここでは、一般的なリビングで使われる8畳用シーリングライトを例に計算します。
種類 | 消費電力の目安 | 1時間の電気代 | 1日(8時間)の電気代 | 1ヶ月(30日)の電気代 | 年間の電気代 |
---|---|---|---|---|---|
蛍光灯シーリングライト | 約68W | 約2.1円 | 約16.8円 | 約504円 | 約6,132円 |
LEDシーリングライト | 約29W | 約0.9円 | 約7.2円 | 約216円 | 約2,628円 |
※電力量料金単価31円/kWhで計算
この表からも分かる通り、LEDシーリングライトは蛍光灯に比べて消費電力が半分以下で、年間の電気代も半分以下に抑えられます。さらに、LEDは寿命も非常に長く、蛍光灯が約6,000〜12,000時間なのに対し、LEDは約40,000時間と4倍以上長持ちします。交換の手間やランプ代を考えても、LEDの方が圧倒的にお得なのです。
意外と高い?豆電球(常夜灯)の電気代
夜間に寝室でつけっぱなしにすることが多い豆電球(常夜灯)。「小さいから電気代は気にならない」と思っていませんか?実は、これも積み重なると無視できない金額になります。
一般的な豆電球(ナツメ球)の消費電力は約5Wです。これを1日8時間、365日つけっぱなしにした場合の年間電気代を計算してみましょう。
0.005kW × 8時間 × 365日 × 31円/kWh = 452.6円
年間で約453円。大きな金額ではないかもしれませんが、LED常夜灯に替えれば消費電力は約0.5W程度になり、電気代を10分の1に削減できます。小さなところからコツコツと節約を積み重ねることが大切です。
【迷信?】「電気はこまめに消すより、つけっぱなしの方がお得」は本当か
「蛍光灯はスイッチを入れる時に一番電気を食うから、短い時間ならつけっぱなしの方がお得」という話を聞いたことはありませんか?これは半分本当で、半分誤解です。
確かに、蛍光灯は点灯する瞬間に一時的に大きな電力(点灯時電力)を消費します。しかし、この時間は非常に短いため、消費する電力量としてはごくわずかです。資源エネルギー庁のデータによると、数分間つけておく電力消費量の方が、点灯時電力よりもはるかに大きくなります。
結論として、部屋を離れる際はこまめに電気を消す方が、基本的にお得です。特にLED照明の場合は、点灯時の消費電力が非常に小さいため、迷わず消す習慣をつけましょう。

検針票と照明器具のW数をもとに、自宅の照明コストをざっくり計算してみましょう!
- 照明だけでも家計に年間6,000円以上の影響がある
- 電気代は「消費電力×時間×単価」のシンプルな式で計算できる
- LEDに替えると年間半分以下にまで削減可能
【STEP2: 基本の節約術】今日からできる!照明の電気代を劇的に下げる方法


現状の電気代を把握したところで、いよいよ具体的な節約術を見ていきましょう。最も効果的なのは、やはり「LED照明への交換」です。
最大の節約効果!照明をLEDに交換するメリット
LED照明への交換は、電気代の節約だけでなく、多くのメリットをもたらします。
- 圧倒的な省エネ性能: 先述の通り、消費電力を蛍光灯の半分以下に抑えられます。これは家計に直接的なインパクトを与える最大のメリットです。
- 驚きの長寿命: 約40,000時間という寿命は、1日10時間使用しても10年以上交換が不要な計算です。ランプの購入費用や交換の手間から解放されます。
- 環境への配慮: LEDは有害な水銀を含んでおらず、CO2排出量の削減にも貢献します。家計に優しく、地球にも優しい選択です。
- 2027年問題への備え: 「水銀に関する水俣条約」により、2027年以降は一部の蛍光灯の製造・輸出入が禁止される見込みです。将来的に蛍光灯の入手が困難になるため、早めのLED化が賢明です。
初期費用はかかりますが、電気代の削減分で数年で元が取れ、その後はずっと節約効果が続きます。これはもはや「節約」ではなく「投資」と言えるでしょう。
【ライフスタイル別】LED交換で年間いくら節約できる?簡単シミュレーション
あなたの生活パターンでは、一体いくら節約できるのでしょうか?2つのケースでシミュレーションしてみましょう。
【条件】
- 交換前:蛍光灯シーリングライト(消費電力68W)
- 交換後:LEDシーリングライト(消費電力29W)
- 電力量料金単価:31円/kWh
ケース①:日中は不在がちな共働き夫婦の場合
平日は夜のみ5時間、休日は12時間点灯すると仮定します。
- 年間の点灯時間:(5時間 × 5日 + 12時間 × 2日) × 52週 = 2,548時間
- 蛍光灯の年間電気代:0.068kW × 2,548h × 31円 ≒ 5,372円
- LEDの年間電気代:0.029kW × 2,548h × 31円 ≒ 2,293円
- 年間の節約額:5,372円 – 2,293円 = 3,079円
ケース②:在宅ワークで家にいる時間が長い場合
毎日12時間点灯すると仮定します。
- 年間の点灯時間:12時間 × 365日 = 4,380時間
- 蛍光灯の年間電気代:0.068kW × 4,380h × 31円 ≒ 9,235円
- LEDの年間電気代:0.029kW × 4,380h × 31円 ≒ 3,936円
- 年間の節約額:9,235円 – 3,936円 = 5,299円
照明をつけている時間が長ければ長いほど、LED化による節約効果は大きくなります。



LEDは初期費用が気になっても、2〜3年で元が取れる「節約投資」です!
LED照明、どれを選べばいい?失敗しない選び方4つのポイント
「よし、LEDにしよう!」と決めたものの、種類が多くてどれを選べばいいか迷ってしまいますよね。失敗しないための4つのポイントをご紹介します。
- 部屋の広さに合った「明るさ」を選ぶ
明るさは「ルーメン(lm)」という単位で表されます。パッケージには「〜8畳用」のように適用畳数の目安が書かれているので、必ず部屋の広さに合ったものを選びましょう。迷った場合は、少し明るめのものを選んでおくと、調光機能(後述)で調整できるので安心です。 - シーンで使い分ける「光の色(調色機能)」
光の色は主に「昼光色(青白い光)」「昼白色(太陽光に近い自然な光)」「電球色(オレンジがかった温かみのある光)」の3種類です。勉強や作業には集中しやすい昼光色、リビングでの団らんには昼白色、寝室でのリラックスタイムには電球色など、シーンに合わせて色を変えられる「調色機能」付きのモデルが非常に便利でおすすめです。 - 節約と快適さを両立する「明るさ調整(調光機能)」
調光機能は、明るさを何段階かに調整できる機能です。常に100%の明るさで使う必要がない場面では、少し明るさを落とすだけで消費電力を抑えられます。快適さを損なわずに節電できる、必須とも言える機能です。 - 長く使うからこそ「信頼できるメーカー」を
LED照明は長く使うものなので、品質や保証がしっかりした信頼できるメーカーの製品を選びましょう。安価すぎる製品は、すぐに暗くなったり、寿命が短かったりする可能性があります。口コミや製品保証期間を確認することも大切です。



寝室には電球色、勉強部屋には昼光色など、用途に合った光を選びましょう!
【賃貸でも安心】照明交換のギモン解決Q&A
「賃貸だから、備え付けの照明は勝手に交換できないのでは…」と諦めている方、ご安心ください。ポイントさえ押さえれば、賃貸でもLED化は可能です。
- 賃貸でも勝手に照明を交換していい?
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工事が不要なタイプなら、多くの場合OKです。
天井に「引掛シーリング」という電源ソケットがあれば、工具不要で簡単にシーリングライトの交換ができます。ただし、退去時には元の状態に戻す「原状回復」の義務があるため、取り外した備え付けの照明器具は絶対に捨てず、大切に保管しておきましょう。 - 原状回復ってどこまですればいいの?
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入居した時と同じ状態に戻す必要があります。
自分で購入したLED照明は取り外し、保管しておいた元の照明器具を取り付けて退去します。もし元の照明を紛失・破損してしまった場合は、同等品を弁償する必要が出てくるため注意してください。 - 備え付けの照明が故障したら?
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まずは大家さんや管理会社に連絡しましょう。
電球切れなどの消耗品は自己負担ですが、照明器具本体が経年劣化で故障した場合は、大家さんの負担で修理・交換してもらえるのが一般的です。勝手に修理や交換をせず、必ず相談してください。
あなたの節約ポテンシャル診断!簡単チェックリスト
ご自身の生活を振り返り、節約できる可能性がどれくらいあるかチェックしてみましょう。
□ 家のメインの照明は、まだ蛍光灯を使っている
□ 1日に8時間以上、照明をつけている部屋がある
□ テレビや電気をつけっぱなしで寝落ちすることがある
□ トイレや廊下の電気を消し忘れることがよくある
□ 賃貸だからという理由で照明の交換を諦めていた
□ 今の電力会社のプランを5年以上見直していない
【診断結果】
- チェックが1〜2個: 素晴らしい節約意識です!この記事でさらに賢い節約術を身につけましょう。
- チェックが3〜4個: 節約の伸びしろ大!LED化や使い方を見直すだけで、年間1万円近く節約できる可能性があります。
- チェックが5個以上: 大きなチャンスです!照明の見直しと電力プランの変更を組み合わせれば、家計が劇的に改善されるかもしれません。



LEDは初期費用が気になっても、2〜3年で元が取れる「節約投資」です!
- LEDは蛍光灯に比べて消費電力が半分以下
- LEDの寿命は蛍光灯の4倍以上で買い替え頻度も減少
- 電気代とランプ代を合わせると圧倒的にお得
【STEP3: 応用的な節約術】もっと賢く!快適さを損なわないテクニック


LEDへの交換は基本中の基本。ここからは、さらに一歩進んだ賢い節約術をご紹介します。
「スマート照明」で節約を自動化する
スマート照明とは、スマートフォンやスマートスピーカーと連携できる高機能な照明のことです。
「アレクサ、電気を消して」といった音声操作や、スマホアプリからの遠隔操作ができます。特に便利なのが「タイマー機能」です。就寝時間に合わせて自動で消灯したり、朝起きる時間に合わせてゆっくり点灯させたりできるため、消し忘れを100%防げます。外出先から「あ、電気消し忘れたかも!」と気づいた時も、すぐにスマホでオフにできます。初期費用は通常のLED照明より高くなりますが、その利便性と確実な節約効果は大きな魅力です。
人感センサー付きライトで「無駄な点灯」をゼロに
トイレ、廊下、玄関、クローゼットなど、人の出入りが多く、滞在時間が短い場所には「人感センサー付きライト」が最適です。人がいる時だけ自動で点灯し、いなくなると自動で消灯してくれるため、意識しなくても無駄な電力を完全にカットできます。スイッチに触れる必要がないので衛生的ですし、夜中にトイレに行くときなども便利です。工事不要で電球を交換するだけのタイプも多く販売されており、手軽に導入できるのも嬉しいポイントです。
契約を見直すだけ!電力会社のプラン変更で固定費削減
照明の節約と合わせてぜひ検討したいのが、電気の契約そのものの見直しです。2016年の電力自由化以降、私たちは地域の大手電力会社だけでなく、様々な「新電力」の会社と契約できるようになりました。
会社によって料金プランは多種多様です。例えば、日中の電気代が安くなるプランは在宅ワーカーの方に、夜間の電気代が安くなるプランは夜型の生活を送る方にお得です。ガス会社や携帯電話会社が提供するプランもあり、セットで契約することで割引が適用されるケースも多くあります。一度見直すだけで、毎月の固定費がずっと安くなる可能性があるため、やらない手はありません。
電力会社の選び方と注意点
いざ電力会社を乗り換えようと思っても、数が多すぎて迷ってしまいますよね。そんな時は「エネチェンジ」や「価格.com」などの電力比較サイトを利用するのがおすすめです。ご自身の電気使用状況を入力するだけで、最適なプランをシミュレーションしてくれます。
乗り換えの際は、料金の安さだけでなく、以下の点にも注意しましょう。
- 燃料費調整額の上限: この上限がないプランだと、燃料価格が高騰した際に電気代が青天井になるリスクがあります。
- 解約金の有無: 契約期間の縛りや、期間内に解約した場合の違約金がないか確認しましょう。
- 会社の信頼性: あまりに小規模な新電力の場合、事業撤退などのリスクもゼロではありません。供給実績や会社の母体なども確認するとより安心です。



夜型・在宅型など、ライフスタイルに合った電力プランへの切り替えを検討しましょう!
- スマート照明やセンサーライトで“つけっぱなし”防止
- 使用時間帯に合わせた電気プランでさらに節約
- 電力比較サイトを使えば、最適な会社が簡単に見つかる
まとめ:賢い照明選びで、今日から始める快適な節約生活


今回は、部屋の電気代、特に照明に関する節約術を徹底解説しました。
- 現状把握が第一歩: まずは自宅の照明の消費電力を知り、電気代の計算方法を理解しましょう。
- LED化が最大のカギ: 照明を蛍光灯からLEDに交換するだけで、消費電力を半分以下にでき、年間数千円以上の節約につながります。長寿命で交換の手間も省けるため、最も費用対効果の高い節約術です。
- 賃貸でも交換は可能: 原状回復のルールさえ守れば、賃貸物件でも照明の交換はできます。諦めずにチャレンジしましょう。
- プラスアルファでさらに節約: スマート照明や人感センサーの活用、電力プランの見直しを組み合わせることで、無理なく快適に節約効果を最大化できます。
電気代への漠然とした不安は、正しい知識を持つことで「自分でコントロールできる」という自信に変わります。まずは、ご自宅のリビングの照明が蛍光灯かLEDかを確認するところから始めてみませんか?その小さな一歩が、これからの賢く快適な節約生活の始まりです。