浴室乾燥機の電気代は高い？洗濯乾燥機との比較と節約術9選

「梅雨や花粉の季節、浴室乾燥機は本当に便利だけど、2025年になってまた電気代が上がったから使うのが怖い…」「つけっぱなしにしたら、一体いくらかかるんだろう？」

共働きで忙しい毎日を送る中で、光熱費、特に電気代の値上げは家計にとって大きな悩みですよね。天気を気にせず洗濯物を乾かせる浴室乾燥機は、もはや手放せない存在。しかし、その電気代が気になって、使うのをためらってしまう気持ち、とてもよくわかります。

結論からお伝えします。高騰したの電気料金でも、浴室乾燥機は賢い使い方と少しの工夫で、電気代を大幅に節約できます。

この記事では、最新の電気料金単価に基づいたリアルな電気代の計算から、洗濯乾燥機や除湿機との徹底比較、そして今日からすぐに実践できる9つの節約術まで、専門的な情報を分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、「電気代が高いかも」という漠然とした不安は解消され、ご自身のライフスタイルに最適な乾燥方法を自信を持って選択し、ストレスなく浴室乾燥機を使いこなせるようになっているはずです。

浴室乾燥機の電気代は本当に高い？1時間・1ヶ月の料金を徹底解剖

まず、気になる電気代の具体的な金額を見ていきましょう。最新の料金単価を基に計算することで、「なんとなく高い」というイメージを払拭し、正確なコストを把握することが節約の第一歩です。

2025年7月時点の電気料金単価の目安

電気代を計算する上で基準となるのが、1kWhあたりの電気料金単価です。全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価は、2025年7月時点で約31円/kWh（税込）です。これに加えて、再生可能エネルギーの普及のために「再エネ賦課金」が上乗せされます。

この単価はあくまで全国平均であり、契約している電力会社や料金プランによって変動します。しかし、この記事ではこの「31円/kWh」を使って、誰にでも分かりやすく電気代をシミュレーションしていきます。

参考：https://www.eftc.or.jp/qa/

浴室乾燥機の電気代は1時間あたりいくら？

一般的な電気式の浴室乾燥機（ヒーター式）の消費電力は、約1,200W（1.2kW）です。これを基に1時間あたりの電気代を計算してみましょう。

計算式：消費電力(kW) × 使用時間(h) × 料金単価(円/kWh)

1.2kW × 1時間 × 31円/kWh = 37.2円

つまり、1時間あたりの電気代は約37円となります。3時間使用した場合、約111円かかる計算です。毎日使うとなると、確かに少し気になってくる金額かもしれません。

運転モードによって電気代は大きく変わる

浴室乾燥機には「乾燥」以外にも様々な機能があります。当然、運転モードによって消費電力は異なり、電気代も大きく変わってきます。一般的な電気式モデルを例に、各モードの電気代を見てみましょう。

運転モード	消費電力（目安）	1時間あたりの電気代（目安）
乾燥（強）	1,200W	約37.2円
暖房（入浴前）	1,250W	約38.8円
涼風	30W	約0.9円
換気（標準）	7W	約0.2円
24時間換気	6W	約0.19円

このように、暖房や乾燥モードは電気代が高く、換気モードは非常に安いことがわかります。特に24時間換気は、1日中つけっぱなしにしても約4.5円と、カビ対策として非常にコストパフォーマンスが高い機能です。目的によってモードを賢く使い分けることが、節約の基本となります。

【徹底比較】浴室乾燥機 vs 洗濯乾燥機 vs 除湿機、一番お得なのはどれ？

浴室乾燥機以外の乾燥方法と比べることで、それぞれのメリット・デメリットが明確になり、ご自身の家庭に最適な選択肢が見えてきます。ここでは「コスト」「時間」「利便性」の3つの観点から比較します。

浴室乾燥機 vs 洗濯乾燥機 コストと特徴

洗濯から乾燥まで一台で完結する洗濯乾燥機は、非常に便利な家電です。洗濯乾燥機には、ヒーターで温める「ヒーター式」と、湿気を含んだ空気を除湿して乾かす「ヒートポンプ式」の2種類があります。

ヒートポンプ式の洗濯乾燥機は、電気代の安さが最大の魅力です。浴室乾燥機と比べて乾燥1回あたりのコストを半分以下に抑えられる場合もあります。ただし、本体価格が非常に高価なのがネックです。一方、浴室乾燥機は、デリケートな衣類をハンガーに吊るして優しく乾かせる点や、浴室全体のカビ防止にも繋がるというメリットがあります。

乾燥方法	1回あたりコスト（目安）	初期費用（目安）	メリット	デメリット
浴室乾燥機（電気式）	約111円（3時間）	10万円～	衣類が傷みにくい、浴室のカビ対策になる	電気代が比較的高め、干す手間がかかる
洗濯乾燥機（ヒーター式）	約40～70円	15万円～	洗濯から乾燥まで自動、省スペース	電気代がやや高め、衣類が傷みやすい
洗濯乾燥機（ヒートポンプ式）	約20～50円	20万円～	電気代が安い、衣類に優しい	初期費用が高い、設置場所を選ぶ

浴室乾燥機 vs 除湿機 コストと特徴

衣類乾燥機能を搭載した除湿機も、部屋干しの強い味方です。最大のメリットは、1時間あたりの電気代が10円前後と非常に安いこと。本体価格も2万円台からと手頃です。

ただし、乾燥に時間がかかるのが最大のデメリット。浴室乾燥機なら3時間で乾く量でも、除湿機では6時間以上かかることも珍しくありません。また、除湿機は室温を上げるため、夏場の使用は快適とは言えません。狭い空間で効率よく、短時間で乾かしたい場合は浴室乾燥機に軍配が上がります。

結局どれを選ぶべき？比較まとめ

ここまで見てきた各乾燥方法の特徴を一覧表にまとめました。

観点	浴室乾燥機	洗濯乾燥機（ヒートポンプ式）	除湿機
ランニングコスト	△（高い）	◎（安い）	◯（安い）
乾燥スピード	◯（速い）	◯（速い）	×（遅い）
仕上がり（衣類の優しさ）	◎（優しい）	△（傷みやすい）	◯（比較的優しい）
初期費用	△（やや高い）	×（高い）	◎（安い）
手間	△（干す手間あり）	◎（手間なし）	△（干す手間あり）
付加価値	浴室のカビ防止	洗濯機能	部屋の除湿

コストを最優先するなら除湿機、手間を省き時短を極めるなら洗濯乾燥機、そして衣類を大切にしながら浴室環境も快適に保ちたいなら浴室乾燥機がおすすめです。それぞれの長所を理解し、組み合わせて使うのが最も賢い選択と言えるでしょう。

今すぐできる！浴室乾燥機の電気代を劇的に下げる節約術9選

「やっぱり浴室乾燥機を使いたい。でも、電気代は少しでも安くしたい！」そんなあなたのために、今日から実践できる効果的な節約術を「基本編」と「応用編」に分けて9つご紹介します。

【基本1】フィルターをこまめに掃除する

最も簡単で、かつ効果が高いのがフィルターの定期的な掃除です。フィルターにホコリが詰まると、空気の通り道が妨げられ、乾燥効率が著しく低下します。その結果、乾くまでに余計な時間がかかり、無駄な電気代が発生してしまうのです。

掃除は月に1回を目安に行いましょう。掃除機でホコリを吸い取るだけで十分ですが、汚れがひどい場合は水洗いし、完全に乾かしてから元に戻してください。これだけで乾燥時間が短縮され、節電に繋がります。

【基本2】洗濯物の干し方を工夫する

乾燥効率は、洗濯物の干し方次第で大きく変わります。ポイントは「空気の通り道」をいかに作るかです。洗濯物同士の間隔をこぶし一つ分は空け、風が全体に行き渡るようにしましょう。

また、両端に長い衣類、中央に短い衣類を干す「アーチ干し」は、温風が循環しやすくなるため非常に効果的です。厚手のジーンズやパーカーなどは、温風が直接当たる吹き出し口の真下に干すと早く乾きます。

【基本3】洗濯物の水分をしっかり減らす

乾燥時間を短縮するためには、乾燥機に入れる前の洗濯物の水分量をできるだけ減らしておくことが重要です。洗濯機で脱水時間をいつもより少し長めに設定するだけでも効果があります。

さらに、脱水時に乾いたバスタオルを1枚加えるという裏ワザもおすすめです。乾いたタオルが他の洗濯物の水分を吸い取ってくれるため、全体の水分量を効率よく減らすことができます。

【基本4】浴室の水分を事前に拭き取る

入浴後の浴室は、壁や床に水滴が残り、空気中にも多くの湿気を含んでいます。この状態で乾燥機をかけると、洗濯物だけでなく浴室全体を乾かすことになり、余計なエネルギーと時間が必要です。

乾燥機能を使う前に、スクイージーやタオルで壁や床の水滴をサッと拭き取るだけで、乾燥効率は格段にアップします。浴室換気である程度湿気を逃がしてから乾燥をスタートするのも良い方法です。

【基本5】最新の省エネモデルを選ぶ

もし10年以上同じ浴室乾燥機を使っているなら、最新の省エネモデルへの買い替えも視野に入れましょう。特にヒーターを使わず効率的に熱を生み出す「ヒートポンプ式」の浴室乾燥機は、従来のヒーター式に比べて消費電力を大幅に抑えることができます。初期費用はかかりますが、長期的に見れば電気代の節約分で元が取れる可能性も十分にあります。

【応用1】サーキュレーターを併用する

節約術の中でも特に効果が高いのが、サーキュレーターの併用です。浴室乾燥機の温風をサーキュレーターで循環させることで、浴室内に効率的な空気の流れが生まれます。これにより、洗濯物全体にムラなく風が当たり、乾燥時間を最大で20〜30%短縮できることもあります。洗濯物の真下から上に向けて風を送るように設置するのがポイントです。

【応用2】夜間電力プランを活用する

多くの電力会社が提供している「時間帯別料金プラン」を契約している場合、夜間の電気代が日中よりも安く設定されています。例えば、午後11時から翌朝7時までの電気代が割安になるプランなどです。

このプランを活用し、タイマー機能を使って夜間に浴室乾燥機を運転すれば、同じ時間使っても電気代を大きく節約できます。ご自身のライフスタイルと電力プランを確認し、最もお得な時間帯を狙って使いましょう。

【応用3】電力会社・プランを見直す

2016年の電力自由化以降、私たちはライフスタイルに合わせて電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。今の契約プランが、本当にあなたの家庭に合っているか一度見直してみることをおすすめします。

比較サイトを使えば、郵便番号や現在の電気使用量を入力するだけで、最適な電力会社やプランを簡単にシミュレーションできます。基本料金が0円のプランや、特定のサービスとセットで割引になるプランなど、選択肢は様々です。根本から電気代を見直すことで、大きな節約に繋がる可能性があります。

【応用4】自然乾燥と組み合わせる

浴室乾燥機を「メインの乾燥手段」ではなく、「仕上げ」として使うハイブリッドな方法も賢い選択です。天気の良い日は外干しやベランダ干しを基本とし、取り込む前に30分だけ浴室乾燥機で仕上げることで、生乾きの嫌な臭いや花粉の付着を防げます。雨の日でも、まずは部屋干しである程度乾かしてから、最後の湿気を飛ばすために1時間だけ使う、といった方法が有効です。

【ライフスタイル別】あなたに最適な乾燥方法の組み合わせは？

家庭の状況によって、最適な乾燥方法は異なります。ここでは3つのライフスタイル別に、おすすめの乾燥方法の組み合わせをご紹介します。

【一人暮らし・賃貸】の場合

一人暮らしや賃貸物件にお住まいの場合、大掛かりな工事は難しいことが多いでしょう。備え付けの浴室乾燥機があるなら、「サーキュレーター併用」や「夜間電力活用」といった節約術を駆使するのがおすすめです。もし浴室乾燥機がない場合は、初期費用が安く移動も簡単な「衣類乾燥除湿機」が最適です。狭いスペースでも効率よく乾かせます。

【共働き・子育て世帯】の場合

まさに今回のペルソナである佐藤さんのような、忙しい共働き・子育て世帯。この世帯では「時短」が最優先課題です。洗濯物を干す手間すら惜しいと感じるなら、初期投資をしてでも「ヒートポンプ式洗濯乾燥機」を導入するのが最もQOL（生活の質）を向上させる選択肢かもしれません。浴室乾燥機と併用し、デリケートな衣類は浴室で、タオルや普段着は洗濯乾燥機で、と使い分けるのが理想的です。

【大家族・戸建て】の場合

洗濯物の量が多い大家族や、設置の自由度が高い戸建てにお住まいの場合は、パワフルさが魅力の「ガス式浴室乾燥機」も有力な選択肢です。ガス温水式は乾燥スピードが速く、ランニングコストも電気式より安く抑えられる傾向があります。洗濯物が多い家庭ほど、その恩恵を大きく受けられるでしょう。

浴室乾燥機のよくある悩み「乾かない・臭い」を解決！

便利さの一方で、「思ったように乾かない」「生乾きの嫌な臭いがする」といったトラブルも耳にします。その原因と対策を知っておけば、より快適に使いこなせます。

原因はこれかも？洗濯物が「乾かない」ときのチェックリスト

乾きが悪いと感じたら、以下の点を確認してみてください。ほとんどの場合、少しの工夫で改善できます。

原因	対策
フィルターの目詰まり	月に1回、フィルターのホコリを掃除する。
洗濯物の量が多すぎる	一度に干す量を8割程度に減らし、間隔を空ける。
浴室内の湿度が高い	乾燥前に壁や床の水滴を拭き取り、換気をする。
室温が低い（冬場）	事前に入浴や暖房機能で浴室を暖めておく。
機器の経年劣化	10年以上使用している場合は、性能が低下している可能性も。

生乾き・カビ臭い！臭いの原因と対策

生乾き臭の原因は、洗濯で落としきれなかった皮脂汚れなどをエサに「モラクセラ菌」という雑菌が繁殖することです。また、浴室乾燥機内部にカビが発生していると、カビ臭い風が出てくることもあります。

対策としては、フィルターや吹き出し口の定期的な掃除が基本です。洗濯の際に抗菌・防臭効果のある洗剤を使ったり、洗濯槽を定期的にクリーニングしたりすることも臭い対策に繋がります。入浴後は24時間換気モードを活用し、常に浴室を清潔に保つことを心がけましょう。

まとめ

今回は、2025年最新の電気料金を基にした浴室乾燥機の電気代と、賢い節約術について詳しく解説しました。

• 2025年7月時点の目安単価（31円/kWh）で計算すると、浴室乾燥機の電気代は1時間あたり約37円。
• 洗濯乾燥機（ヒートポンプ式）や除湿機と比較すると電気代は高めだが、衣類への優しさや浴室のカビ防止といったメリットがある。
• 「フィルター掃除」「干し方の工夫」「サーキュレーター併用」「電力プランの見直し」など、9つの節約術を実践すれば電気代は大幅に削減可能。

浴室乾燥機は、電気代を正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合った使い方をすれば、家事のストレスを大きく軽減してくれる非常に強力な味方です。この記事で紹介した節約術を参考に、まずはフィルター掃除や干し方の見直しから始めてみてください。

そして、家計全体の節約のために、一度ご家庭の電力プランを見直してみることを強くおすすめします。