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電気のつけ消しは損?照明・エアコン別の正解と節約術

「電気はこまめに消しなさい!」と子供の頃に言われた経験、誰にでもありますよね。しかし最近では、「エアコンはつけっぱなしの方が安い」といった話も耳にします。電気代が気になる今、本当はどちらが正しいのか分からず、モヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。

特に、お子さんに「電気を消し忘れないで」と注意しても、「つけっぱなしの方がお得なんでしょ?」と言い返されて困ってしまう…なんてことも。

結論から言うと、「こまめに消す」か「つけっぱなし」かの正解は、家電の種類と使う状況によって異なります。

この記事を最後まで読めば、もう電気の使い方で迷うことはありません。照明(LED・蛍光灯)やエアコン、テレビといった主要な家電ごとに「電気代」「寿命」の観点から、どちらがお得なのかを科学的な根拠に基づいて徹底解説します。さらに、人感センサーやスマートプラグといった最新ガジェットを活用した、無理なく続けられる節約術までご紹介します。

正しい知識を身につけて、ご家庭の電気代を賢く節約しましょう。

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この記事でわかること
  • 家電ごとに「つけっぱなし」と「こまめ消し」の正解が違う
  • LED照明はこまめに消すのが正解、蛍光灯は場合によりつけっぱなしがお得
  • エアコンは「30分以内の外出ならつけっぱなし」が省エネの分かれ目
  • 待機電力は年間で5%を占める“隠れ電気泥棒”になることも
  • スマート家電(センサー・プラグ)や料金プラン見直しが大きな節約に直結
1分で読める記事まと

「電気はこまめに消すべきか? それともつけっぱなしが得なのか?」という疑問に、家電ごとの特性に基づいて答えを提示した記事です。
LED照明・エアコン・パソコン・テレビなど主要家電について、「電気代」「寿命」「使用状況」の3視点から最適な使い方を整理し、さらに人感センサーやスマートプラグなど便利グッズも紹介。
電気代をムリなく・無理なく減らす“現実的な節約術”が詰まっています。

目次

なぜ「つけっぱなしの方がお得」と言われるの?節電の基本を解説

「つけっぱなしの方がお得」という説が広まった背景には、家電が動き出す瞬間の電力消費が関係しています。まずは、その基本となる「起動時電力」と、意外と見落としがちな「待機電力」について理解を深めましょう。

起動時にかかる「突入電力」とは?

家電のスイッチを入れた瞬間、一時的に大きな電流が流れることがあります。これを「突入電力」または「起動時電力」と呼びます。特に、モーターを搭載しているエアコンや冷蔵庫、古いタイプの蛍光灯などは、安定して動き出すまでに通常時よりも多くの電力を消費する傾向があります。

この「スイッチを入れるたびに大きな電力がかかるなら、いっそつけっぱなしの方が節約になるのでは?」という考えが、「つけっぱなし説」の根拠の一つです。しかし、この突入電力がかかる時間は非常に短く、ほとんどの家電では、数分間オフにするだけで、つけっぱなしにするよりも電気代は安くなります。

見過ごせない「待機電力」の存在

一方で、家電の主電源が入ったまま、使用していない状態でも消費される微量の電力が「待機電力」です。リモコンからの信号を待っているテレビや、予約録画に備えているレコーダー、時刻を表示している電子レンジなどがこれにあたります。

資源エネルギー庁の調査によると、一世帯あたりの年間消費電力量のうち、待機時消費電力量が占める割合は約5.0%にも上るとされています。一つひとつは小さな電力でも、家庭内のすべての家電を合計すると、年間で無視できない金額になるのです。この待機電力をいかに減らすかが、節約の重要な鍵となります。

「起動が重そうな家電=常にON」はNG。数分の不使用時でも、基本オフの方が電気代が安くなることが多いです。

この章のポイント
  • 起動時の「突入電力」は短時間だけなので、気にしすぎは不要。
  • 待機電力の積み重ねは家計にじわじわ響く。
  • 家電ごとに“適切なオンオフの判断基準”を知ることが重要。

【家電別】電気のつけっぱなしvsこまめに消す!どっちが正解?

それでは、家電ごとに「つけっぱなし」「こまめに消す」のどちらが正解なのかを、「電気代」「寿命」の2つの観点から詳しく見ていきましょう。

照明(LED・蛍光灯):つけ消しの判断基準と寿命への影響

照明器具は、種類によって最適な使い方が大きく異なります。特に、今お使いの照明がLEDか蛍光灯かで、判断は真逆になると言っても過言ではありません。

LED照明は、こまめに消すのが正解です。 起動時の消費電力が少なく、点滅の繰り返しによる寿命への影響もほとんどないため、使わないときはすぐに消す習慣をつけましょう。

一方で、古いタイプの蛍光灯は、頻繁なつけ消しが苦手です。 点灯する瞬間に最も大きなエネルギーを消費し、電極に負担がかかるため寿命を縮める原因になります。そのため、5分~10分程度の短い時間で部屋を離れる場合は、つけっぱなしの方が電気代・寿命の両面から見てもお得になることがあります。

蛍光灯とLEDのコストを徹底比較!交換は必須?

「うちはまだ蛍光灯だけど、本当に交換した方がいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。結論として、一日でも早くLED照明に交換することをおすすめします。 初期費用はかかりますが、電気代と寿命を考えると、長期的には圧倒的にお得です。

項目蛍光灯シーリングライトLEDシーリングライト
初期費用(器具代)約5,000円約10,000円
消費電力30W31W(同等でも明るい)
寿命約9,000時間約40,000時間
10年間の電気代約40,000円約20,000円
10年間の交換費用約5,000円(約5回交換)0円
10年間の総コスト約50,000円約30,000円

※1日6時間、1kWhあたり31円で計算した場合の目安です。

表を見ると、10年間のトータルコストではLEDの方が約2万円もお得になることがわかります。さらに、国際的な「水俣条約」により、2027年末にはほとんどの蛍光灯の製造・輸出入が禁止されます。 今後、蛍光灯が手に入りにくくなることも考え、計画的なLED化を進めましょう。

エアコン:つけっぱなしがお得になる「30分の壁」とは

夏の電気代の主役であるエアコン。これが最も判断に迷う家電かもしれません。一般的に、「30分程度の短い外出であれば、つけっぱなしの方がお得」と言われています。

これは、エアコンが最も電力を消費するのが、スイッチを入れてから設定温度になるまでの間だからです。特に猛暑日など、室温と設定温度の差が大きいときは、一度電源を切り、暑くなった部屋を再び冷やすために膨大な電力がかかってしまいます。30分程度の外出で部屋の温度が大きく変わらないのであれば、つけっぱなしで一定の温度を保つ方が、再起動の負担が少なく済み、結果的に節約につながるのです。

ここでキーワードとして覚えてて欲しいのは「30分程度の外出なら」です。「つけっぱなしがお得でしょ」と言って2時間も3時間もつけっぱなしにしてるというお声もよく聞きます。しっかりとどれくらいならお得なのか、ポイントをおさえましょう。

エアコンの電気代を左右する3つの要因

ただし、「30分の壁」はあくまで目安です。実際には、ご家庭の環境によって最適な使い方は変わってきます。ポイントは以下の3つです。

  1. 外気温との差: 猛暑日で外気温と設定温度の差が大きいほど、再起動時のエネルギー消費は増大します。このような日は、つけっぱなし運転が有利です。
  2. 建物の断熱性: 木造住宅や窓の大きい部屋など、断熱性が低く室温が変化しやすい環境では、こまめに消すとすぐに室温が戻ってしまいます。この場合も、つけっぱなしの方が効率的です。
  3. エアコンの性能: 最新の省エネ性能が高いエアコンは、起動時の電力消費が抑えられており、温度変化を感知して自動で最適な運転をする機能がついています。古い機種を使っている場合よりも、こまめに消すことのデメリットは少ないかもしれません。

1時間以上の長時間の外出の場合は、迷わず電源を切りましょう。

テレビ・パソコン:こまめに消すのが基本!

テレビやパソコンは、エアコンほど起動時の電力が大きくないため、使わないときはこまめに消すのが基本です。特に最近のテレビは起動も速く、つけっぱなしにするメリットはほとんどありません。

パソコンの場合、「スリープ」機能を活用するのがおすすめです。作業中の状態をメモリに保存したまま、最小限の電力で待機できるため、次に使うときに素早く復帰できます。席を立つ時間が短い場合はスリープ、数時間以上使わない場合はシャットダウンと使い分けると良いでしょう。

ちなみに、画面が動いているスクリーンセーバーは、ディスプレイの焼き付きを防ぐためのもので、節電効果は全くありません。 むしろ電力を消費するので注意が必要です。

外出が30分以内ならエアコンはつけっぱなしがおすすめ。逆に1時間以上出かけるならしっかりオフが節約につながります。

この章のまとめ
  • 起動直後が最も電力を使うタイミング
  • “30分以内の外出”ならつけっぱなしの方が電気代が安い
  • 住宅の断熱性で最適な判断時間は変わる

無理なく続く!今日からできる最新の節約テクニック

家電ごとの正しい使い方がわかったところで、さらに一歩進んだ節約術をご紹介します。無理なく、自動で節約できる仕組みを取り入れてみませんか?

意外と大きい!待機電力の節約術

前述の通り、待機電力は家計の隠れた敵です。特に以下の家電は待機電力が大きい傾向にあるため、注意が必要です。

スクロールできます
家電製品待機電力の目安 (W)年間コスト (目安)節電のヒント
Wi-Fiルーター5~10W約2,050円長期間不在の場合は電源オフ
温水洗浄便座3~6W約920円節電モード活用、便座のフタを閉める
ガス給湯器2~5W約660円長期間不在時は電源オフ(凍結注意)
ブルーレイレコーダー0.5~8W約210円クイックスタート機能をオフにする

※1kWhあたり31円で計算した場合の目安です。

これらの家電は、スイッチ付きの節電タップに接続し、使わない時間帯(就寝中や外出中など)はスイッチをオフにするだけで、簡単に待機電力をカットできます。毎回コンセントを抜き差しする手間が省けるので、おすすめです。

【子育て世帯・在宅ワーカー必見】人感センサー付き照明で自動化

「子供がトイレの電気を消し忘れる」「廊下を通り過ぎるだけなのに電気をつけっぱなしにしてしまう」。そんなお悩みには、人感センサー付きの照明が絶大な効果を発揮します。

人がいるときだけ自動で点灯し、いなくなると数分で自動的に消灯してくれるため、消し忘れが物理的になくなります。 これなら、家族に「電気を消して!」とガミガミ言う必要もなくなり、家庭内の小さなストレスを減らすことができます。特に、トイレや廊下、玄関、クローゼットなど、滞在時間が短く、つけ消しの頻度が高い場所に設置するのが効果的です。

スマートプラグで家電を賢くコントロール

「スマートプラグ」というアイテムをご存知ですか?これは、今ある家電を簡単にスマート化できる優れものです。コンセントと家電のプラグの間に差し込むだけで、スマートフォンから電源のオン・オフを遠隔操作したり、タイマーで自動的に電源を管理したりできます。

例えば、消し忘れがちなサーキュレーターや間接照明に使い、就寝時間になったら自動でオフにする設定が可能です。また、一部の製品には電力消費量をモニターする機能があり、どの家電がどれだけ電気を使っているか「見える化」できるため、節電意識の向上にもつながります。

スマートプラグ使用時の注意点

便利なスマートプラグですが、安全に使うための注意点もあります。最も重要なのは、電気用品安全法により、電気ストーブや電気こたつなど、無人での使用が火災につながる恐れのある電熱器具への使用は禁止されていることです。

また、製品ごとに対応できる最大消費電力が決まっています。ドライヤーや電子レンジなど消費電力の大きい家電に使用する際は、必ず仕様を確認しましょう。購入する際は、日本の安全基準を満たしていることを示す「PSEマーク」が付いてる製品を選ぶようにしてください。

電力会社のプラン見直しも忘れずに

家電の使い方を工夫するのと同時に、契約している電気料金プランの見直しも非常に効果的です。2016年の電力自由化以降、多くの会社が特色ある料金プランを提供しています。

例えば、日中は仕事でほとんど家にいないご家庭なら「夜間の電気代が安くなるプラン」、オール電化住宅にお住まいなら専用プランに切り替えることで、電気代を大幅に節約できる可能性があります。ご自身のライフスタイルに合ったプランがないか、一度比較・検討してみることを強くおすすめします。

意外と大きいのが「待機電力」。使っていない家電のコンセントはこまめに抜くか、節電タップで管理するのが手軽で効果的です!

この章のまとめ
  • テレビや電子レンジ、ルーターなどの待機電力が意外と高い
  • コンセントに差しておくだけで電力消費がある機器も多い
  • 最新家電は省エネ性能が大幅アップしている

まとめ:家電の特性を知って、賢く節電しよう

電気の「つけっぱなし」「こまめな消灯」、どちらがお得かという疑問への答えは、家電の特性を正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合わせて賢く使い分けることです。

  • LED照明、テレビ、パソコンは、使わないときはこまめに消す。
  • 古い蛍光灯は、短い時間ならつけっぱなしの方が良い場合も。
  • エアコンは「30分の壁」を目安に、外気温や家の断熱性も考慮して判断する。

これらの基本を押さえつつ、人感センサーやスマートプラグなどの便利なツールを活用すれば、無理なく快適な節約生活が実現できます。この記事を参考に、まずはご家庭のリビングの照明を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

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